絶景R

特集

【特集記事 05】貸別荘の運営委託先はどう選ぶ?失敗しないための7つのチェックポイント

貸別荘を購入するとき、多くの人がまず気にするのは、ハード面に当たる物件そのものです。

立地はどうか。
眺望はいいか。
建物に魅力はあるか。
いくらで購入できるのか。
どのくらいの収支になるのか。

もちろん、どれも重要です。
しかし、貸別荘として運用するなら、物件と同じくらい重要なものがあります。
それが「誰が運営するのか」というソフト面です。

貸別荘は、購入しただけでは収益を生みません。
宿泊予約サイトへの掲載、宿泊料金の設定、予約管理、ゲストとのやり取り、チェックイン対応、清掃、リネン交換、設備の修繕、トラブル対応などなど。
こういった人の手を介した日々の運営が積み重なって、初めて宿泊施設として成り立ちます。
特に、自宅から離れた場所に貸別荘を所有する場合、オーナー自身で運営業務のすべてを行うのは現実的ではないことが多いでしょう。

そこで重要になるのが、貸別荘の運営を任せる「運営委託先」です。

では、その委託先は何を基準に選べばいいのでしょうか。
「単純に見積もり比較して、手数料が安い会社を選べばOK」ではないことはわかっていても、具体的に何を比較検討すれば良いのかわからないこともあるでしょう。
そこで今回は、貸別荘の運営委託先を選ぶときに確認しておきたい7つのポイントをご紹介します。

1.「運営実績」があるか

最初に確認したいのが、その会社が実際にどのような貸別荘を運営しているのか、ということです。
ここで重要なのは、単純な「運営棟数」だけではありません。まず確認したいのは以下の6点です。

当然ですが、都市部のワンルーム型民泊を数百室管理している会社と、1泊10万円を超えるような高級貸別荘を運営する会社では、必要とされる運営ノウハウが異なります。
高価格帯の貸別荘では、単に空室を埋めるだけでは十分ではありません。建物や眺望、設備、サービスなどの価値を理解し、旅行を計画している人たちに「この価格を支払っても、この宿泊施設に泊まってみたい!」と思ってもらう必要があります。
つまり、運営委託先を選ぶときには、「貸別荘を運営したことがあるか」ではなく、「自分が所有する物件と近い性質の貸別荘を、実際に運営した経験があるか」を見ることが重要なのです。

2.「集客力」があるか

貸別荘の収益を考えるうえで、避けて通れないのが「集客」です。
どれほど素晴らしい建物でも、宿泊者に見つけてもらえなければ予約は入りませんし、収益も上げられません。
そこで確認したいのが、運営委託先がどのような販売チャネルを持っていて、 どのくらい利用経験があるかです。

一休.comやAirbnbのようなOTA(Online Travel Agent = オンライン旅行代理店)だけでなく、自社予約サイトやSNSなども考えられます。
そしてOTAごとの販売力や手数料を考慮しながら、販売チャネルを組み合わせる必要があります。
そして重要なのは、単に宿泊予約サイトに施設を掲載するだけでは不十分で、より多くの予約を獲得するためには、多岐に渡る作業が必要になってくるということです。
例えば、写真の撮影や選び方、タイトルの付け方、施設紹介文の作成、正確な設備情報、外国語対応、クチコミへの返信、キャンペーンの立案、予約管理などなど。
そして、1回登録して終わりではなく、各内容を継続的にチェックし、見直したり改善していくことも大切になってきます。

つまり、運営委託先に求めたいことは、「予約を管理する能力」ではなく「宿泊商品を販売する能力」なのです。

「貸別荘の運営委託先はどう選ぶ?失敗しないための7つのチェックポイント」のイメージ画像

3.宿泊料金を「変え続けているか」

貸別荘の売上をシンプルに表すと、
「宿泊単価 × 稼働日数」
です。
そのため、「稼働率を上げること」だけを目的にすると、料金を安くすれば予約は入りやすくなります。
しかし、それでは売上や利益が最大になるとは限りません。
夏休みや年末年始などの繁忙期と、2月の平日などの閑散期を同じ宿泊料金で販売する必要はありませんし、週末と平日でも需要は違います。
他にも、周辺イベント、天候、残室状況、宿泊日までの日数、競合施設の価格、宿泊人数などによっても、適正な宿泊料金は変化するはずです。

例えば、Airbnbには地域の需要など複数の要素をもとに宿泊料金を調整する「スマートプライシング」という設定があります。これは季節、週末、直前予約などに応じて自動的に価格を変える仕組みです。
こうした変動性の価格設定は、「ダイナミックプライシング」や「レベニューマネジメント」と呼ばれていて、昨今の宿泊料金では一般的になっています。

このようなわけで、運営委託先を選ぶときには、
「1泊いくらで貸しますか?」
ではなく、
「宿泊料金をどのような基準で、どのくらいの頻度で変更していますか?」
と聞いてみると、その会社の運営力の一端が見えてきます。
高級貸別荘では特に、「稼働率を上げること」と「宿泊単価を維持すること」のバランスが重要だからです。

4.清掃品質をどこまで管理しているか

貸別荘では、清掃も商品の一部です。
床に髪の毛が落ちている、グラスに汚れが残っている、浴室に水垢がある、サウナが十分に清掃されていない、リネンに問題があるなど、チェックイン後にこれらの1つを目にするだけで、せっかくの絶景や建築の価値が大きく損なわれてしまいます。
特に高級貸別荘では、宿泊料金が高くなるほど、宿泊者が期待する清掃品質も高くなり、チェックする目も厳しくなります。

清掃を外部業者に任せているかどうかよりも大切なのは、
「清掃後の品質を、誰がどう確認しているのか」
という清掃レベルを維持する方法です。
どのようなチェックリストがあるのか、清掃完了を写真で報告するのか、定期的に運営委託先が現地確認を行うのか、といった確認方法に加えて、宿泊者から清掃について指摘があった場合はどのように改善するのか、などもあります。

さらに貸別荘では、清掃だけではなく設備の管理も重要です。
給湯器、水栓、エアコン、Wi-Fi、キッチン用品、サウナ、BBQコンロ、照明、鍵(スマートロック)など、いろいろな機器があります。こうした設備に不具合が発生すると宿泊体験に直接影響し、その対応次第では、宿泊予約サイトやGoogleマップに書かれるクチコミの評価が大きく変わってきます。

法律上の住宅宿泊管理業務でも、衛生確保、住宅の維持保全、設備やライフラインの状態確認などが重要な業務として位置付けられています。
貸別荘において、「きれいな状態を保つ」「壊れたものをすぐ直す」ことも収益を上げ続ける大切な運営業務なのです。
こういったことをしっかり理解しているかを見極めることも、運営委託先選びでは肝要です。

「貸別荘の運営委託先はどう選ぶ?失敗しないための7つのチェックポイント」のイメージ画像

5.夜間や緊急時に、誰が対応するのか

貸別荘を所有するとき、意外と見落としやすいのが緊急対応です。
「鍵が開かない!」
「お湯が出ない!」
「停電した!」
「Wi-Fiにつながらない!」
「設備の使い方が分からない!」
宿泊施設では、こうした問題が日中だけでなく、夜間に発生することが意外に多いです。
また、騒音やゴミなどについて近隣住民から連絡が入る可能性もあります。
そのとき、誰が電話を受け、誰が現地へ行くのか、ということまで確認しておく必要があります。

住宅宿泊事業法でも、苦情や問い合わせへの対応、緊急時の連絡対応なども重要な業務とされ、必要に応じて速やかに現地へ赴くことが求められています。
観光庁のガイドラインでは、苦情対応について現地到着まで30分以内、交通事情などにより時間を要する場合でも60分以内を目安としています。(実際に必要となる許認可や管理体制は、その施設の営業形態によって異なります)

このように、遠方に住んでいるオーナーにとって、「何かあったら自分が現地へ行かなければならない」という状態では、貸別荘を気軽に所有して運用することはできません。
だからこそ、平常時よりもむしろトラブルが起きたときに、運営委託先の価値が大きく表れます。

6.オーナーに「数字」を見せてくれるか

貸別荘を収益を生む実物資産として所有するなら、運営状況を数字で確認できることも重要です。
少なくとも、以下の項目が把握できることが望ましいでしょう。

さらに、
「前年同月より稼働率が上がった」
「宿泊単価は上がったが稼働率は下がった」
「海外からの予約が増えた」
「特定の予約サイトからの予約比率が上がった」
など、数字の変化の理由まで説明してもらえると、オーナー側も運営状況を理解しやすいです。
ただ単に毎月「今月の入金額は○○円です」という連絡だけでは不十分で、任せていて大丈夫なのかと不安な気持ちになるオーナーもいることでしょう。
毎月の売上金額の理由や翌月の改善方法などの説明ができる運営委託先かどうか、これは長期に渡って貸別荘運営を任せる上で大きな違いになってくるでしょう。

7.「手数料が安い」ではなく「手元にいくら残るか」で考える

最後に確認したいのが、運営委託手数料を含めた諸費用です。
例えば以下の2社。

一見するとA社に依頼した方が得に見えます。しかし、実際はそれだけでは判断できません。
仮に年間売上がA社は1,000万円、B社が1,500万円となれば、オーナーの手元に残る金額が大きく異なり、手数料率だけでは実際の運用益を比較できないのがわかると思います。
さらには、以下のような費用などを誰が負担するのか、会社によって契約内容が異なるため、事前の確認が必須です。

この他に、水道光熱費や税金なども掛かってきます。
そのため、比較すべき金額は「運営委託手数料が何%か」だけではありません。
貸別荘を資産として考えるなら、最終的に重要なってくる数字は、
 宿泊売上 - 諸経費 = オーナーの手元に残る利益
です。

「貸別荘の運営委託先はどう選ぶ?失敗しないための7つのチェックポイント」のイメージ画像

運営委託先は「管理する業者」ではなく「物件価値を活かすパートナー」

貸別荘の運営委託先の業務内容というと、
「予約を受ける」
「清掃する」
「宿泊者からの問い合わせに答える」
といった作業をイメージするかもしれません。しかし、実際にはそれだけではありません。
「どの予約サイトで販売するか」
「どんな写真を掲載するか」
「どんな文章で施設を紹介するか」
「宿泊料金をいくらにするか」
「繁忙期と閑散期で料金設定どう変えるか」
「高評価レビューをどう獲得し続けるか」
「設備の状態をどう維持するか」
こうした手間ひまがかかる作業のひとつひとつが、「この貸別荘が年間いくらの売上を生み出せるか」に影響してきます。

だからこそ委託先は、
「建物を管理してもらう業者」ではなく、
「貸別荘という宿泊商品を一緒に育てるパートナー」

となってくれるのはどの会社か、これをじっくり精査して選ぶべきなのです。

「運営中の貸別荘」を買うという選択

現在、弊社で貸別荘運用を行っている「Kawaguchiko 02(THE THIRD PLACE Mt.Fuji)」と「Tateyama 03(THE THIRD PLACE tatéyama 楼)」も、運営業務を委託しています。
そして運営委託先を選定する際には、運営委託手数料だけを比較せず、上記の7つのポイントを軸に見定めました。そうして選んだ委託先には現在、宿泊者の満足度が非常に高い運営業務はもちろんのこと、稼働日数を上げるための施策も数多く行っていただいています。
その結果、「Kawaguchiko 02」の開業8ヶ月後に稼働率約92.5%達成しました。さらに「Tateyama 03」の開業初月の稼働率が約97%という驚異的な数字を叩き出しました。両別荘とも建物や設備に魅力があるのはもちろんですが、それらを活かし、上手にアピールする委託先の手腕がなければ達成できないものだったと思います。

これから自分で土地を買い、建物を建て、貸別荘を始める場合、運営委託先もゼロから探す必要があります。
さらに、宿泊料金の設定や運営費、予約方法や評価獲得など、実際に委託先に任せて稼働してみないとわからないことが多々あります。

一方、「Kawaguchiko 02」と「Tateyama 03」は、すでに貸別荘として運営されている物件です。つまり、購入を検討する段階で、貸別荘を所有し運用する上で知っておきたいことを把握することができます。

これらがわかるということは、単に「完成した別荘を買う」というだけではありません。
すでに稼働している貸別荘事業の現況を確認した上で購入できるということでもあるのです。

オーナー自身が利用したい日は、富士山や大海原を目の前に望む自分の別荘として。
自分が使わないときは、運営のプロに任せて宿泊者を迎える貸別荘として。
貸別荘を所有しても運営業務を委託すれば、オーナー自身が予約管理や清掃、宿泊者対応をする必要はありません。
貸別荘を買うときには物件だけを見るのではなく、
「購入した後、誰がこの物件を回していくのか」
まで確認する。
それが「自分で楽しむ」と「収益を生む」を両立する貸別荘選びにとって、とても肝要なポイントなのです。